星の海へ:宇宙に最も近い場所

宇宙飛行士と地球の出の写真

宇宙に一番近い場所はどこだろうか。宇宙への近道がどこかにあるのだろうか。NASA? それとも星の街?

 スペースシャトルが退役した今、ソユーズを駆るロシアが星の海に一番近い所にいるのかもしれない。宇宙に行くチャンスはきっと昔より増えている。ISSの家主ロシアと、シュガーダディなその同居人アメリカ、礼儀正しい間借り人日本と居候のヨーロッパは宇宙へのレッドカーペットを目前に敷かれているのだ。横町の民間企業も札ビラを切れば空のお屋敷訪問も夢ではない。
みんなーっ、宇宙に行きたいかー!おー!!(わからない人は年配の方に聞きましょう)

 アメリカはシャトル計画以降宇宙飛行士を多産していたが次が見えて来ない。もっとも金食い虫のオバマ政権がなぜだか火星有人探査を推しているので未来はたぶんバラ色と皆信じ込もうと必死。金がないのでいつになるかがわからないだけ。技術?冷戦時みたいに仮想敵がいればアメリカは突然”出来る子”になるのだが。ああ、サターンVみたいにカッコいい推進ロケットの時代がまた来ると思うと胸熱。今の子は「ロケット」って言葉を使わない。宇宙に飛んでくものは全部シャトルだと思ってるようだが、早く状況逆転しないかなあ。

 現実問題として日本人で宇宙飛行士になりたければ宇宙兄弟とJAXA関係の本を読めば良い。可能性はともかく方法はわかるはずだ。狭き門だがフェア&スクエアである。若いだけではなく人生経験も考慮されるのだから。
 もしあなたが若くてこれから経験を積み能力を磨き将来の宇宙飛行士を目指しているなら。宇宙戦士訓練学校があればいいが、それにはあと150年(沖田土方藤堂世代)ほど待たなくてはならない。あげく艦隊全滅だしな。。某大経由J隊パイロット改めJAXA職員?これは一番素直。ただし絶対ではない。過去は捨てる覚悟が必要。英語とロシア語の素養も必要になるだろう。しかも出番まで何年待機するか不明。間借り人ですから。引っ越し荷物は運んでるんですけどねえ。

 ではいっそ最初からロシアでコスモノートとなるべく勉強するのは?まず言葉と官僚主義の壁。そして国政経済も今ひとつ不安定・・いやプーチン閣下がいれば盤石なのか? ともかく外国人の学生が留学しパイロットや技師になりさらに宇宙飛行士訓練センターに、というのは個人ではおそらく無理。外交問題に出来るほど親が金持ちなら別だが、結局JAXA経由にならざるを得ないだろう。
カナダとヨーロッパ?まさかワーホリしながら宇宙目指そうなんて思ってないよね?殴るよ。

どこかにもっと確率の高い進路はないのか?ある。実はマーキュリー計画の昔からの伝統では、アナポリス米海軍兵学校の卒業生が宇宙飛行士になるのが最も多いケースなのだ。今のところ52人。宇宙飛行士卒業校としては最多である。というか最初は海軍さんだらけ。といってもグリソムさんやクーパーさんは空軍なんですけどね。まあ昔は宇宙飛行士は空軍か海軍のパイロット養成訓練を受けテストパイロット校などに行くのが普通だったし、海軍兵学校出て空軍入るとか海兵隊行くとか交錯してたのでまったく海軍経験なしというのも少なかったと。本当は政治的に一応空軍やら他大学の人もベンチ要員(嘘。博士号複数所持とか普通)で参加し、戦争直後だったので一般大学工学部出の軍人経由宇宙飛行士という人も多くいました。それでもジェミニ6Aのミッションで「機密:軌道上にて開封」という文書が空軍出のスタッフォード宇宙飛行士の荷物にくっついてたんで開けたら「軍機・右は右舷、左は左舷といいます。早く覚えてね♡」と海軍出の同乗者他からのご親切なメッセージが。ついでに言うとトイレはヘッドだからね。

 日本語なら簡単だが、スターボード、ポートなどと急に言われても海の男でなければ一瞬どっちだかわからないかも。面舵取舵、みたいなもんで。宇宙で左右を決めるのに0.5秒戸惑ったら悪くすると死亡判定です。全然違うボタン押したらマズいよな。もっともそんなんじゃパイロットにはならせてもらえないと思うけど。「ライト・スタッフ」のチャック・イェーガー様が格好良過ぎてアポロもシャトルもパイロットは全員空軍かと思われがちですが、そんなことはありません。宇宙の海に出るのはやはり海の男なのだ。そもそもパイロットとは水先案内人の事だし、アストロノートはギリシャ語で星の船乗りという意味だそうだ。

  しかし最近はアメリカの海軍兵学校卒業生も宇宙飛行士の話はしない。もともと自慢などしない校風なのだが自慢したくとも出来なくなるほど悪名高い人物が登場してしまったからだ。そう、あのオムツ女である。この女のことをほのめかせればアナポリス関係者は牡蛎のように口を閉ざす。アレと関係あると思われるのだけは避けたい。
 言っておくが女は入学が楽で、卒業後の進路も危険職でなければたいてい思った通りになる。軍はなんとしても男女平等に見せたいからすぐ昇進させる。また初期には女性の地位向上の為にどんな無理をしてでも男と対等以上に仕事をこなそうとする「女を捨てた」ヒラリー世代もいたのだ。だがあのオムツ女はどちらの努力をも裏切るマジ基地なのである。

 まるで差別主義のように聞こえるが、あなたがアメリカに生きる野望に燃えた有色人種でしかも女ならこういった公的な機関に所属するのが一番楽な道である。「割当」がある限り、ガラスの天井どころかエスカレーターが待っている。政治家になるもよし、宇宙飛行士もまたしかり。NASAはたった一人マイノリティの女をシャトルミッションに滑り込ませれば少数民族枠と女性枠を同時に埋められるのだ。その分有能な日本人に恩を売ることが出来る。アジア系は有能人種らしく一般大学にも枠がある。これ以上は入学させないという枠が。他の人種がいなくなると父兄への説明に困るし、寄付金減るしね。

  実名は出せないが、某宇宙飛行士はかなりスイーツ(笑)。そんなんでTV出るな恥ずかしいレベル。NASAチャンネルだから誰も見てないだろうけど。そしてある有名宇宙飛行士の兄ちゃんは滑走路逆侵入男である。しかも2回。田舎の空港ともいえない滑走路だったのだけが幸い。こいつらが割当埋めでなくてなんであろうか。言っておくが兄ちゃんは職業パイロットじゃない。そんな能力はない。やっとお情けで水上艦で働ける程度。あれじゃ使えないってんでたぶん早めに辞め(させられ)たはず。背も高いし顔もそこそこなんだが見かけ倒しというか。。。自分を捨てた女の結婚式に介添えで出て泣くな馬鹿野郎。てか引き受けるか普通?

  当たり前だが、いまや大学や企業政府各団体の偉いさんに黒人さんや少数民族がいても、誰もその能力を認めない。最初から「割当−クォータ」だと思われてしまう。善意と白人の後ろめたさから生まれた人口比割当分配枠は逆に有色人種の実力を認めさせる場を確実に奪っている。本当に死ぬほど頭のいいマイノリティも女性も大勢いるのだから逆差別などするべきではない。まあ日本人は頭いいと思われてるようで助かった。だがヴァイオリンは弾けないので期待せんで欲しい。あと箸で蠅キャッチも出来ないし金魚も食わんからそのつもりで。

原作の影も形もないNASAジョンソンスタイル。科学の粋を結集した映像と歌詞が素晴らしい。これぞ才能の無駄遣いの極地♡もちろんNASA公式です


  しかし、マーキュリーやジェミニ、アポロの頃はそんなリベラルなことはしていられなかった。あの頃の宇宙飛行士はほとんどが機械のように真面目でミスをせず、面白くはないが間違いのない人物だったという。中には女の子と朝寝して搭乗機会を逃した強者もいるが、実は交代要員だったから問題ないとかなんとか。どこまで隠蔽工作なのかわからないが。ココアビーチって地名も何となくそれっぽい甘さと苦さを含んでいるような。

 それにしてもシャトル計画のイメージは悲惨だった。日常化し過ぎて誰も打ち上げなど気にしなくなった頃、鳴り物入りで宣伝した各民族勢揃いプラス民間人女性教師の乗り込んだシャトルの事故。中継で見ていたのにどうしても脳が理解を拒否した。お願いだ、あれは脱落した燃料ブースターが爆発しているのだと言ってくれ。オービターはどこだ?…やがて、飛散し焼け焦げた遺品が発見され始めた。ずいぶん長い間、それらは波打ち際に流れ着き、現実を人々に突きつけた。
教師の名がついたプラネタリウムは州民の誇りであり、彼女の名を利用しようとした大統領候補者が一瞬にして指名レース最下位に転落するほどあの事故は今でも感情を逆撫でする。爆発事故直後のレーガンのスピーチは、名ライターが書き誰の添削を受ける時間もなく発表された現代の名演説だった。その後の計画の大幅な遅れ。日本人宇宙飛行士も待たされた。そしてやっと悲劇を忘れかけた頃のさらなるコロンビアの事故。
 McCoolは本当にCoolな男だったのに。何もかも断トツなのに鼻にかけない良い奴だったのに、と士官学校で同室だった男がつぶやく。あいつと俺は誕生日が5日しか違わなかった。でもあいつは俺の5年先を走っていた。なぜ彼が死んで、クズみたいな連中が生きているんだ。人生は不公平だ。さようなら、オピ*。コロンビアのパイロットだったMcCoolのあだ名で、懐かしい時代と人間像を描くTVドラマの主人公である理想の男の、これまた理想の息子の名前。アメリカの良心ともいえる少年。オピを嫌いな奴など想像もできない。 あのロン・ハワードが好演。

アナポリス海軍兵学校卒業生の殉職者名の壁アナポリス海軍兵学校の殉職者の壁にあるプレートの一つ

 今も昔も変わらないのは、宇宙飛行は死と隣り合わせであるということだ。アナポリスの殉死者の壁に刻まれている名は一つ二つではない。自分のよく知る者の名がそこにある。しかもそいつは健康で性格が良くて明るく活発で非の打ちどころのない若者だったのに、今はもういないという事実。だが誰もそのことについて愚痴ったりはしない。それは明日への礎であり未来への足がかりなのだ。義務を果たし、空に散り燃え尽きた彼らに涙することはあっても その選択を後悔してはならない。
 士官学校に行った者に生涯つきまとう自己抑制と自己犠牲の精神。それはこの世界をより良き社会にする為の道具であり、たとえ社会が彼らに報いることがなくとも、死の瞬間まで彼らの努力が尽きることはない。能力を与えられた者はそれを善に使用しなくてはならない。

 哀れなのは、彼らが本気でそれを信じ実行していることを世の中にまったくわかってもらえていないことである。一般社会のオトナで金より名誉だとか人類の為に滅私奉公だとかそんなことを信じる奴はいない。そんなことを今時信じている人間がいるなどとは到底信じてもらえない。だから時々理想主義の皮を被った油断ならない奴と誤解されるのだが士官学校の洗脳力をなめてはいけない。カーター元大統領をみなさい。彼は本気で貧しい者の為に家を建て続けているのだ。本気で北の某国や中東や中南米やアフリカの問題を平和的解決に導こうと努力し続けているのだ。
士官学校卒業生に向かってお前はアンフェアだとかウソツキとか社会の役に立ってないなどとは冗談でも言ってはいけません。優しくお得意のベッドメイキングをお願いしたり、異常なまでの靴磨きのスキルを褒めてあげましょう。



*オピ。コロンビアのパイロットだったMcCoolに良く似た、アメリカの良心ともいえる少年。いまだに再放送が続くアメリカの60年代の大人気TVドラマ "The Andy Griffith Show"の主人公である理想の男の、これまた理想の息子の名前。オピを嫌いな奴など想像もできない。あのロン・ハワードが好演。


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