米国海軍兵学校 年間学事日程表 2013年度~2017年度

  2012-2013 2013-2014 2014-2015 2015-2016 2016-2017
入学式 6/28/2012 6/27/2013 6/26/2014 7/01/2015 6/30/2016
新入生訓練 6/28~8/18 6/27~8/17 6/26~8/16 7/1~8/22 6/30-8/19
建国記念日
(振替授業土曜)
7/4 7/4 7/4 7/3 7/4
夏期講習 (60日) 5/30~8/15 5/28~8/14 5/27~8/13 5/26~8/14 5/31~8/17
学業不振者退学審議 8/17-8/18 8/16-8/17 8/15-8/16 8/20−8/21 8/18-8/19
旅団再編成 8/18 8/17 8/16 8/22 8/20
秋学期開始 8/20 8/19 8/20 8/24 8/22
祝日(振替休日) 9/03, 10/08, 11/12 9/02, 10/14, 11/11 9/01, 10/13, 11/11 9/07, 10/12, 11/11 9/05, 10/10, 11/11
フットボール
大学対抗試合
ほぼ毎土曜日 ほぼ毎土曜日 ほぼ毎土曜日 ほぼ毎土曜日 ほぼ毎土曜日
中間考査 9/24-9/28
10/28-11/2
9/23-9/27
10/29-11/1
9/22-9/26
10/27-10/31
9/28-10/2
11/2-11/6
9/26-9/30
10/31-11/4
感謝祭休暇 11/22-11/23 11/28-11/29 11/27-11/28 11/26-11/27 11/24-11/25
秋学期終了 12/7 12/5 12/4 12/10 12/9
対陸軍士官学校
フットボール
試合日
12/8 12/14 12/13 12/12 12/10
予習日&
期末試験
12/10-12/18 12/06-12/18 12/09-12/20 12/11-12/22 12/12-12/20
学業不振者発表 12/21 12/23 12/23 12/28 12/22
クリスマス休暇 12/19-1/3 12/19-1/3 12/20-1/4 12/23-1/8 12/21-1/6
学業不振者
退学審議
1/2-1/6 1/2-1/6 1/2-1/6 1/5-1/8 1/2-1/6
春学期開始 1/08/2013 1/07/2014 1/07/2015 1/12/2016 1/10/2017
祝日(振替休日) 1/21, 2/18 1/20, 2/17 1/19, 2/16 1/18, 2/15 1/20, 2/20
中間考査 2/11-2/15
4/01~4/05
2/10-2/14
3/31~4/04
2/09-2/13
3/30~4/03
2/16-2/22
4/04~4/08
2/13-2/17
4/03~4/07
専攻決定 (一年生) 3/04-3/7 3/03-3/6 3/09-3/12 3/07-3/10 3/06-3/9
春休み 3/09-3/17 3/08-3/16 3/14-3/22 3/12-3/20 3/11-3/19
春学期終了 4/30 4/29 4/29 5/3 5/2
予習日&
期末試験
5/01-5/09 4/30-5/08 4/30-5/08 5/04-5/12 5/03-5/11
学業不振者発表 5/13 5/12 5/11 5/14 5/15
学業不振者退学審議 5/15-5/18 5/14-5/17 5/13-5/16 5/17-5/20 5/17-5/20
卒業式 5/24/2013 5/23/2014 5/22/2015 5/27/2016 5/26/2017

 参考資料:Academic Term Calendars: Academic Year 2012-2013, 2013-2014, 2014-2015 & 2016-2017, Anchor Dates, Final Exam Schedule. Available from: http://www.usna.edu/Academics/Calendars-Events/index.php (Sep 2013)

アメリカ海軍士官候補生が水上艦船で訓練中

アナポリス海軍兵学校の年間学業スケジュール概要。陸軍空軍士官学校も似たようなものですが、卒業式の日はたぶん違います。来賓や家族が三軍全ての士官学校の卒業式に出席可能となるのが理想です。

夏休みは次の学年に属します。プリーブになる為の夏期訓練は最初の夏に、次の夏休みの訓練航海は大学2年生の肩書きで参加します。3年次には職業訓練各種お試し、最上級生としての夏休みには指揮を学ぶ為の航海に出ます。

第一学期は8月後半に始まる為、上級生は中旬に士官学校に戻ってきます。同じ頃プリーブの両親や家族がくる週末のイベントがあり、新入生夏期訓練も終盤を迎えます。

第一学期(秋学期)はスポーツ、特にフットボールなどの試合や祝日などが多いので忙しく、一年生は覚え、慣れなければならないことが山積みで大変です。第2学期(春学期)は暗く寒い冬に始まるので暗黒時代と呼ばれたりします。お正月気分とか全然ないので納得いきません。何しろ米国では2日からまったくもって全てが日常に復帰するんですから何か肩すかしを喰った気分です。春になればフォーメーションも外だし(ポインターの皆さん申し訳ございません)春休みもあるし卒業式関連のイベントが目白押しで練習その他こちらも忙しいのです。

アメリカ海軍士官候補生がマイクロピペットを操作中

で、これらの予定は数年先の分まで日付もばっちり決まっているので、試験日に用事が出来たから変更などとは教授でも言えません。大事な日には用事を作らないように3年前から釘を刺すわけです。でもさすがに候補生の家族の葬式の日にちまでは予測出来ませんので、第二親等までの「重大な個人的出来事」の場合は予備日に期末試験を受けることも許されます。結婚式は許可が出ないでしょうが辛い所です。母親や姉妹の結婚式に欠席したら一生言われ続けますからね。また本人の不徳のなすところによらない大病や大怪我の場合も多少代替試験日程が考慮されます。日付変更可能な視力矯正手術などのための日程変更は許されません。

どの場合も試験の科目別詳細日程が出たらすぐに規定の書類を締切日までに提出します。期末試験の科目別日程は秋学期は10月15日、春学期は3月15日頃までに決まります。次学期の履修科目登録期間は学期末の2−3週間です。

学力だけでなく体力も測定します。新入生夏期訓練時と各学期に行われるPRT(運動能力テスト)に合格しないと無理矢理特訓コースを組まれ、最低ラインを突破出来るまでしごかれます。こうなると部活動なんかしてる暇はありません。何しろ合格しないと卒業目前でも退学です。他にも水泳テストがあります。PRTは現役の軍人にも実施されるのですが士官学校の方が制限時間や回数が厳しくなっています。減量が必要ならレベル別ダイエットプログラムが強制発動されます。

アメリカ海軍兵学校での艦船設計クラスの授業風景

授業は少人数制なので同じ科目でも複数のクラスがあり、全員が一度に同じ授業を受けるわけではないのでどうしてもという場合は組み替えも利きます。でも当直などの当番は誰かに代わってもらわねばなりません。士官候補生にとって授業や試験は最優先です。宿題とクイズ(小テスト)は毎日出ると見て間違いありません。

成績は学期末だけでなく6週目と12週目にも学校に申告されます。少しでもヤバそうなら即座に手を打たねばなりません。補習個人教授図書館籠り、何でもいいので努力の跡を残さねば退学です。もちろん結果が出なくてもさようならです。そうはいっても今は夏期講習なんぞもあり、あげく遅延卒業も可能ときてはけしからんことこの上ありません。そんなんあったらパイロットになれてたかもしれないのに、とブツブツいう声が聞こえるようです。

この夏学期は誰でも活用出来る訳ではなく、まず落ちこぼれかかってる奴の救済用です。次にフットボール選手などが練習時間を捻出する為に夏にいくつかの科目を先に履修しておき、本学期の授業数を減らすのが優先。その他の個人でも登録は可能ですが許可されるとは限りません。成績序列にも計上されません。てゆーかさー、フットボール優遇すんのやめようよ。せっかくの半ドン土曜もホームゲームだったら出席しなきゃなんないし、アーミーネイビーゲームときたら前後含めて3日のお務めが義務だし、もう既に正式な軍務と化してませんか。まあ対陸軍試合は最優先軍務に違いないけどさ。

アメリカ海軍士官候補生がIT授業中

試験内容と形式は科目や担当教授によって様々。中間試験は科目により1学期に2−4回。期末試験は一斉に行われ、午前、午後、夜の1日3限です。一人1日に3時間以上とならないよう、3科目被らないように調整されます。もし被ってたら公式決定済み予備試験日時に変えてもらえます。そうはいっても同じ時間枠に50科目の試験が一斉に行われる*ような状況では割り振りも大変です。

1970年以前は専攻はなく全員同じ科目を履修していたので試験時間割も作りやすく成績も比較しやすかったのですが、今でもそうすべきでは?将来医学校に行きたい場合どうしても生物や有機化学系を履修しとかないと入れないとかいろいろあるとは思いますが最終的に士官候補生の専攻は「軍隊の指揮」に尽きるわけですから。専攻24もいらんでしょうよ。

 *特に試験第1日目の朝。早めに終わらせて休暇を長くしたいのは生徒も教師も同じ。


アメリカ海軍兵学校の数学の授業

アメリカでは教師は常に批評にさらされており、教え方が下手だとはっきり小馬鹿にされます。小学一年生のクラス一おとなしい未熟児っぽい女の子が授業の後はにかみながら教師の袖を引き「先生は間違ってると思います」と真っ直ぐ目を見て告げるお国柄であるため、大学の教授陣や講師も学期ごとに生徒の批評を公式に仰ぐこととなる。まあ米国では一度本雇いになった教師を学校側が辞めさせることはまず不可能なので生徒に何を言われようが関係ないんですけどね。

アメリカ海軍兵学校の数学の授業

とにかく今では各大学の各学部の教師名簿とその教え方が星いくつで評価される口コミサイトもあり、士官学校のほとんどの教師もここで事前にチェックすることが可能。もちろん匿名の意見なのでどこまで信用出来るかはアレですが、士官候補生に限って言えば嘘はつかないのが信条であり、ほぼ全員がそれを信じて実行しているという他ではありえない特殊事情があるため情報はかなり信頼出来るはず。例えば小試験と宿題が多いし期末試験はめちゃくちゃ難しいが教え方は上手、という意見が多いなら試験が難しいのはたぶん本当。楽をしたいなら一考の余地あり。でも内容を理解して先に進みたいならその教授はいいかもしれない。また「おかげ様で水上艦勤務が確定となりました。ありがとうございました」という正直な 怨嗟 心情の吐露を引き出した教授の授業を受けたいかどうかは君のその科目に対する自信次第である。